講師からのメッセージ

 2022年7月の安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、いわゆる「カルト宗教問題」が再燃しました。皆さんも驚きとともに、大きな関心をもって、この問題に向き合っておられることと思います。

 今から約30年前、「オウム真理教事件」が発生しました。それ以来、宗教とは怖いものとのイメージが、日本で普通に生活しておられる方々のあいだに広がっていったと言われています。そのころから、一般的にも「カルト」という言葉で知られるようになりました。
 安倍元首相銃撃事件以降、カルトに関するさまざまな情報が出回っています。ですから、私たちはカルト宗教の問題について、決して他人事には済まされない状況に置かれています。ですから、カルトとは何か、カルトと宗教との関にはどのような関係があるのか、既存の教会はカルトとは無縁のものなのか、そんな数々の問いが突き付けられているような気がいたします。
 今回日本キリスト教会出版局発行の『福音時報』での連載に加え、カルトに関する講演会を企画し、理解を深める機会を与えていただけましたことを心より感謝いたします。カルトとは、宗教だけの話ではなく、私たちが社会生活を営む中で、人と人とが関わり合う環境の中で、必ず存在する「ゆがんだ支配」を指します。その支配から解放されるために、この機会にともに考えてまいりましょう。

 

 多くの皆さまにご参加いただけるよう、願っています。